死亡事故の損害賠償

交通事故の最悪のケースでは、被害者がお亡くなりになってしまうことがあります。被害者のご遺族にとっては本当に辛いことです。この場合、被害者が被った損害は、被害者の遺族が、加害者側に請求することになります。

被害者遺族が加害者側に請求できる損害賠償は主に下記の表の4つになります。

分類 項目
死亡するまでの怪我による損害治療関係費、休業損害など
葬儀費戒名、読経料、葬儀社への支払いなど
逸失利益本人が生きていれば得られたはずの利益
慰謝料被害者および遺族に対する慰謝料

葬儀費

葬儀費も損害賠償の一部として認められます。葬儀そのものにかかった費用を始め、49日の法事の費用、仏壇購入費、墓碑建立費が若干認められる場合もあります。 自賠責保険では、原則として60万円までとされていますが、立証資料等により60万円を超えることが明らかな場合は、100万円の範囲内で認められることがあります。

一方で、裁判で参考にされる基準の場合、150万円程度は認められるケースが多いです。なお、香典については葬儀費用から差し引くことはしませんが、香典返しは損害とは認めていません。

立証資料としては、葬儀会社に依頼した場合、葬儀会社の作成した費用の一覧表や領収書がありますので、領収書などはきちんと残しておくようにしてください。

逸失利益

逸失利益とは、交通事故の被害者が亡くなられた場合、将来得られる予定だったけれど事故によって得られなくなった収入の推計のことです。 例えば54歳の男性サラリーマンの場合は、67歳までの残り13年間で得られたであろう収入の推計が逸失利益となります。

死亡事故による逸失利益の計算方法は、次のとおりです。
逸失利益 = 年収 × (1-生活控除率) × (就労可能年数に対応するライプニッツ係数) 逸失利益 =
年収×(1-生活控除率)×(就労可能年数に対応するライプニッツ係数)

1.死亡事故の逸失利益の計算における年収は、職業によって異なります。

①給与所得者原則として、事故前の現実の税込み収入額(本給、諸手当、賞与、昇給、退職金)。
②事業所得者原則として、事故前の収入額、または事業収入中に占める本人の寄与分。
③家事従事者主婦の場合、原則として、賃金センサスの女子労働者の全年齢平均賃金。
④幼児・学生など 原則として、全年齢平均賃金による。
ただし、生涯を通じて全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められない特段の事情が存在する場合には、年齢別平均賃金又は学歴別平均賃金の採用等も考慮する。
⑤無職者現在無職でも就労の蓋然性があれば、原則として年齢別平均賃金による。

2.生活費の控除率

死亡により生活費がかからなくなるための控除。
・一家の支柱:30~40%を収入額より控除
・女子(主婦・独身・幼児を含む):30~40%を収入額より控除
・男子(独身・幼児を含む):50%を収入額より控除

3.就労可能年数に対するライプニッツ係数

原則として、67歳までを就労可能年数とします。開業医・弁護士については70歳までとされる場合もあります。およそ55歳以上の高齢者(主婦を含む)については67歳までの年数と平均余命の2分の1のいずれか長期の方を使用します。

慰謝料

被害者が死亡した場合の慰謝料は、被害者の遺族が①被害者の相続人として被害者本人の慰謝料を請求することと、②遺族独自の慰謝料を請求することが可能です。慰謝料の金額は、保険会社の提示額と裁判で認められる金額で大きく異なりますので、適正な慰謝料はどの位になるのか弁護士に確認してください。

裁判で参考にされる基準の慰謝料
ケース 慰謝料金額
一家の支柱の場合 2,700~3,100万円
一家の支柱に準ずる場合 2,400~2,700万円
その他の場合 2,000~2,400万円
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