トラック事業者の架装費用,休業損害の認定事例

職業:運送会社

1【事案の概要】

依頼者は,運送会社であり,相手方が対向車線を走行中,スリップし,依頼者側車線に進入し衝突,トラックが荷台含めて全損してしまいまいした。

そのため,依頼者は,トラックの車両損害,架装費用,休業損害3か月分の支払いを求めましたが,相手方は,車両損害および架装費用の一部合計約250万円の支払いしか認めなかったため,裁判になりました。

2【結果】

金600万円での和解成立

3【当方の活動】

架装費用の請求を認めてもらうために,架装の必要性について主張しました。例えば,架装前の写真と架装後の写真を比較して,華美な装飾ではなく,修理に必要な部品を取り換えたこと,搭載荷物の衛生上の管理から材質をステンレス製にするために費用が掛かることなどです。

休車損害については,3か月分の運賃やガソリン代のカード明細に加えて,事故前3か月分の保有車両全部の運行記録,事故で使用できなかった期間に他社に外注した際の請求書,貨物自動車運送事業実績報告書や一般貨物自動車運送事業損益明細表を提出し,立証に努めました。

4【本件のポイント】

運送会社が自社トラックの事故で架装費用を損害として認めてもらうためには,その架装が華美な装飾ではなく,自社の義務にとって必要なものであることを主張し,立証することになります。

また,休業損害については,遊休車両がないことを被害者側が立証する必要があります。

その意味では,普段の業務からトラック1台ずつの業務管理(運行記録やタイヤ損耗費,修理費,燃料費,人件費を1台ずつ管理する)が重要であると考えます。

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